2018/04/09

【リラ・プレカリア(祈りのたて琴)】リラとのあゆみ 2期修了生 出村由利子

今年3月に終了したリラ・プレカリア(祈りのたて琴)研修講座の講師・修了生に、思い出などご寄稿いただきました。

本文はご寄稿いただいたオリジナルのまま掲載しています。

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リラとのあゆみ
2期修了生 出村由利子 

リラ・プレカリア(以降は「リラ」と呼びます)との出会いは偶然だったようで、実は最初から計画されていたことでした。

昔から教会が好き、人の世話が好き、音楽が好きでした。看護師となり病院や教育に携わりつつ、ホスピスでマッサージのボランティアをするなど、人生半ば以降はホスピスに関係する道を歩いていました。でもいつも自分に何か足りないものがあると、感じ続けていました。

あるとき、リラの講座が開かれると知り、直感でこれだ、と思いました。私に足りないもの、それはこころ・愛でした。

2010年アメリカの老人ホームで
しかし1年半の学びでそう簡単に人間が変わるはずはありません。ハープも歌も苦労しませんでした。ただ詩編が理解できませんでした。特に嘆きの詩編を読むと苦しくなり、苛立ち、怒りがこみ上げてきました。意味を見いだせず、リラに反抗しつつ実習時期を迎えました。そして生まれて初めて呼吸を合わせて歌うことがその場にいる人との一体感を生み出し、空気が澄み渡り、魂の交流ができるという体験をしたのでした。「神と共に在る」ことが祈るということだと知りました。

リラ卒業後、アメリカの教会や老人ホームで、またコスタリカの老人ホームで奉仕しました。言語も人種も祈りには関係ありませんでした。無心に歌いハープを弾き、その場にいる人と呼吸が一つになったとき、たくさんの奇跡を経験しました。

失敗もありました。コスタリカで高齢者がガバっと起き上がり、ハープに殴りかかってきたこともありました。大学の授業中に体調を崩す人や、宗教に対する嫌悪感を示した人もいました。でも出会った人すべてが先生であり恵みでした。

これからもどこに行こうとしているのか、愛とは何か、10年絶った今もわかりませんが神と共に歩む足どりは加齢とは逆に軽やかになっている気がします。これからもどんな先生に巡り合うのかと楽しみにしつつ。多くの恵みに感謝して。

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リラ・プレカリア(祈りのたて琴)とは、ハープと歌で祈りを届ける活動です。

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