2018/02/19

【信仰書あれこれ】熱意を込めて語られる福音メッセージ

以前に深井智朗氏の『伝道』を紹介しました。今回は、同氏の『信仰のメロディー』をとりあげます。昔ヨルダン社から発行された深井氏の同名の書籍ではありません。

今回ご紹介するのは、キュックリヒ記念財団の季刊誌『乳幼児の教育』に「み言葉を学ぶ」という題で深井氏が連載したものから十数編を選び、認定こども園母の会が編集した小冊子『信仰のメロディー』です。上記財団は、現在は存在しないようです。

聞くところによると「み言葉を学ぶ」は20回連載され、その一部は『希望の力 ― 自由を使いこなすために』(2008年、教文館)として書籍化されているのですが、小冊子『信仰のメロディー』と中身の重なりはないようです。


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本冊子は100頁未満と薄いものの、掲載記事はいずれも力のこもったものです。何よりもわかりすい。例えば、神が人間の世界にどれほど関心を持っていらっしゃるかを説明するくだりを、著者は次のように記してます。

「私の長男がこの夏、アメリカのペンシルバニア州に出かけました。ランカスターという小さな町です。アメリカの南北戦争の歴史などに関心のある方はご存知かもしれませんが、それ以外にはほとんど知られていないような小さな町です。しかしこの小さな町は、長男がそこにひとり旅に出ることによって、父である私の最大の関心事になるのです。私はそこに行きたくなりました。日本にいても、そこの全てを知り、またそこに身を置きたくなる場所になりました。その町の人々を愛したくなります。その町が私にとっての全てになります。/私はクリスマスの出来事というのは、私がこの夏経験したような出来事だと考えました。神が愛するひとり子をこの世に送られた、ということは、神の子がこの世に来たというだけでなく、それ以後、この地上が神の最大の関心事になったということです。」(本冊子10~11頁)

著者自身が自らの体験を語りながら福音と結びつけています。複数の神学者の解釈を並べただけの抽象的で頭が痛くなる議論ではなく、そこに著者の生活が垣間見え、読者が自分の人生に当て嵌めることができるようになっているのです。著者の語るメッセージは、このような挿話の魅力に満ちあふれていて、読者に読みとってほしいことが強く印象づけられます。

本冊子は市販されていません。興味をもたれた方は、以下に連絡されてみてはいかがでしょう。どうしても読みたいという熱意があれば伝わることでしょう。


住所:〒330-0052 さいたま市浦和区本太1-20-10 
電話:048-883-3021/メール:info@hahanokai.ac.jp

JELA事務局長
森川 博己

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