2018/01/19

【信仰書あれこれ】信仰生活の原点に返る

私は一般信徒ですが、説教の準備・仕方、あるいは牧会のあり方などについて書かれた本を読むのが好きです。中でも特に有益だと感じている一冊、ユージン・ピーターソン著『牧会者の神学―祈り・聖書理解・霊的導き―』(越川弘英訳、1997年、日本基督教団出版局)をご紹介します。

本書の意義については、神学者・加藤常昭氏による帯文に要領よく記されているので、全文を引用します。
「10年前(*1987年)、刊行されたばかりの原著に触れ、激しく心を揺さぶられて以来、待ち焦がれていた訳書が、しかもすぐれた訳で刊行された。とても嬉しい。牧師職の霊的刷新を提案し、キリストの教会の霊的再生を願い、神学的洞察と実践的提案をする、著者の名声を確立した稀に見る画期的著書である。日本のキリスト教会もまた今、切実に再生を必要とする。牧師・信徒ひとしく本書の批判に身をさらし、その指し示す道に生きてほしいと切望する。」

統計上、日本のクリスチャン人口は1%(礼拝の定期的出席者数は、それ以下)とよく言われますが、私はむしろ、この本を読んで「そのとおりだ」と言える人がどれだけいるのか、ということの方が大切ではないかと思います。信仰の原点を見つめ直したり、これから神学校で学ぼうとする人に勧めたい本です。

最後にひとこと。数年前に米国ミネソタ州のルター神学校を訪れました。校内の書籍売り場には人気の高いキリスト教著作家の作品コーナーが設けられていて、ヘンリ・ナウエンC・S・ルイスと並んでユージン・ピーターソンのコーナーもありました。彼の作品が日本で数冊しか訳されていないのが不思議です。

JELA事務局長
森川 博己

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