2016/04/12

【国際青年交流奨学金】 セラピストとしての旅路 - 2学期を終えて


昨年秋からJELA奨学金を受給している、英ゴールドスミス・カレッジに留学中の小川昂子さんより、2016年春学期(2学期)のレポートを頂きました。

 小川さんは、ダンス・ムーブメント・サイコセラピー修士課程に在籍され、当学期は、自閉症、聴覚障害等の障害を持つ児童に対するセラピーの実習を重ねてこられました。以下にレポートの一部をご紹介いたします。

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同級生たちと(左から二人目が小川さん)。
授業の一環で、きらきらメイクを
施し、子どものような遊び心を取り戻しました。
第二学期を振り返ってみますと、セラピストとしての終わることのない旅路がいよいよ始まったという感じです。20世紀の著名な精神分析家ウィルフレッド・ビオンが述べた、「セラピストに『なる(becoming)』ということは、『過程(process)』であり、始まりがあってずっと続くもので、終わりのないものだ」という一節が心に響きます。 

現在は、第二学期で経験した臨床活動を中心に、理論と振り返りを踏まえ、どのように支援対象者との関係を築きつつあるかに関する課題について執筆しているところです。こうして活動を振り返ることは、自分の力不足と向き合うことになるため、辛い作業でもありますが、セラピストとして、そして人間として成長をするために、とても意義深い作業だと感じています。

来学期は、いよいよ、支援対象者である子どもたちとの別れ、つまり、セラピーの終了のさせ方について考えを深め、実践することになります。それがどのような経験となったか、皆様に改めてご報告できる機会を楽しみにしております。

こうして、貴重な経験を積み重ね、ダンス・ムーブメント・サイコセラピーに関する学びを深められているのは、貴団体の奨学金のご支援のおかげです。ありがとうございます。 
セラピーの実習に使う小道具の一部。小道具には、支援対象者が
セラピーに従事しやすくなるなど、様々な役割があります。

(小川昂子)
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