2014/11/20

【難民支援】ジェラ・ミッションセンターで三カ国の難民保護実務家による国際会議

11月14日に恵比寿のジェラ・ミッションセンターで、日米韓三カ国による難民保護のための円卓会議がありました。主催した認定NPO法人・難民支援協会の石川えり事務局長に、その内容・意義などについてご報告いただきました。

◇◇◇

2014年11月14日に、ジェラ・ミッションセンターにて、「難民の社会的統合」をテーマに難民保護に関わる実務家26人により円卓会議が開催されました。アメリカ・韓国で難民支援に取り組むNGOよりゲストを迎え、日本からは政府、国際機関、研究者、シンクタンク、NGO/NPO等が参加し、3カ国における難民支援について3カ国における実践を共有し、多様な角度から議論を行うことができました。

開会の挨拶をする森川JELA事務局長
 まず、開会に先立ちJELAの森川氏よりご挨拶を頂きました。また、3カ国の交流事業の概要を紹介したうえで、円卓会議を開始しました。

 円卓会議では、「難民の社会統合における課題と優れた実践」というテーマのもと、日・韓・米各国からの実情に関する報告がありました。アメリカのゲストからは官民連携の実務についての報告がありました。韓国からは2013年7月より施行されている難民保護法の運用について、その概要や難民支援センター開設の動きについて報告がされました。日本からは政策の動向に加えて、日本における難民支援の現状を共有しました。

 参加者相互によるディスカッションの後は、シリア難民の現状についての紹介があり、アメリカからは数が確定されていないものの現在第三国定住が必要とされている130,000人のうち半数の65,000人の受入れを目指したい旨報告されました。また、韓国からはシリア難民が500人以上来韓し、難民申請をし、1人が認定を受け、400人以上が在留許可を得ている状況を紹介し、これまでに認定もしくは在留許可を受けている人たちに対して家族呼び寄せの希望について調査を行い、来年開始されると言われている第三国定住の対象者として含みたい旨の報告がありました。最後に日本からも現状についての報告がありました。
発表を聞く参加者


 午後は「雇用」・「官民連携」・「ケースマネージメント」をテーマに様々なセクターの参加者が分科会形式に分かれて議論し、再度全体会において共有されました。

 偶然ですが、アメリカ・韓国のNGO双方から小規模農場の取り組みによる受入れコミュニティと難民の協働事例が紹介され、国境を越えて各国において実施される難民支援において共通項を見出していくことの意義が再度確認された会合だったと感じています。改めまして、会場を貸して下さったJELA様にお礼を申し上げます。(難民支援協会・石川えり)


【関連リンク】
日本福音ルーテル社団(JELA)